言乃葉の笹ふね

笹舟を流すように 言の葉を流そう さらさら流れるよ天の河 ころころと ことたまの 玉手箱

信じる

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気心の知れた  島の村落では

玄関に鍵をかけることは  ほとんど無いそう

鍵  どこだったっけ  と

笑ってさえ  いらっしゃるし


玄関の引き戸を開けて  土間があり

土間の奥に  もう一枚  ガラスの引き戸がある


この 外側の引き戸が  ガラガラと開いて

こんにちは  今日は昆布は  いらんかね?

とおじさんが  土間越しに  いらっしゃると


お家の方も  こんにちは  と

内側のガラス戸を  ガラガラと開けて

昆布の煮付けと  サーターアンダギー4個

わたしも  同じだけ買って  × 2


まるで  細胞膜が  必要な体液を

浸透させたり  閉ざしたりする様な

自然なやりとりが  有機的にして

ドア  トゥー  ドアな  近未来システム

しかも  これだけ買って800円って

冗談かしらと  思いました


もしこれを  街中で導入するならば

まずは  この信頼関係を築いていくことから

はじめていくことに  なるのでしょう


島言葉にある  とうとぅがなし 

どのように理解したらいいのかは

 一、二回の島への旅では

とても  とても  分かりかねますが


今の  所謂  インスタ映え

メール文化に  顔文字  スタンプ  

新しいカルチャーが  彩りを添える中

「言葉」そのものは  次第に  隅に  

押しやられているような  


そんな今だからこそ

自分なりに整えた  言の葉に

まごころを  ひとつ  添えたならば

もしかしたら  きっと  

もう  これだけで  とうとぅがなし


〜  言乃葉の笹ふね  第四十九葉  〜