言乃葉の笹ふね

笹舟を流すように 言の葉を流そう さらさら流れるよ天の河 ころころと ことたまの 玉手箱

梅雨待ち時 〜 源氏物語とミネラル不足? 〜

f:id:kototamakotonomama:20190621191952j:plain

こうやって自由に書くことは

大好きですが

本を読むのは  

あまり  得意ではありません

 

でも  本を読んでいる人に

憧れが  あって…

カッコいいですよね

難しげな  タイトルの

しかも  今では絶版の古本なんか

さらっと  持っていたりすると

ましてや  その上  ポケットに  

萬年筆なんか  忍ばせたりしていると

 

それで  ついつい  衝動的に

買ってしまいました

ヤフーオークションで  金三千円也

谷崎潤一郎訳  源氏物語  全26巻

f:id:kototamakotonomama:20190621192110j:plain

 

美しいんです  装丁が

地模様のある草色の和紙の表紙に

 

f:id:kototamakotonomama:20190621192223j:plain

 

水の上に絵の具を落としたような

銀色の模様の裏表紙

 

f:id:kototamakotonomama:20190621192453j:plain

一話目の  桐壺の巻の題紙は

薄紫色の  薄い和紙で

f:id:kototamakotonomama:20190621192549j:plain

 

そのお話ごとに  芒ススキの絵や

御所車の絵が  活字の下に

薄く印刷されていて

 

f:id:kototamakotonomama:20190621192645j:plain 

 

そして  もちろん  漢字も旧字体

ムードは満点   もう  完璧

これなら  ちょっと  読めるかしら

 

梅雨の終わることないような

水の底のようなこの時期ならば

一行二行読むことに

四苦八苦している  困ったさんでも

雨に  寄り添いながら

きっと  読めるわ  ええ  読める

ついつい  そう思ってしまい

 

それなのに  なぜか今年は

梅雨の晴れ間の続く  空梅雨模様

とうとう  雨さんにも  見限られ

 

でも  この本の装丁の丁寧さと

古い本特有の  埃の匂いに包まれて

おずおずと  頁を繰り  また頁を繰り

 

そうやってもしかしたら

千年前の平安の頃  御所の中

お姫様や  女御の方々も

同じように  読み進めていただなんて

なんだか  少し  じーん

 

しかも  谷崎潤一郎さんは

序文と  注意書きに  

破格の20ページも費やされ

この源氏物語を訳された経緯を

手塩にかけて育てられた姫様を  

読者に託されるような  

並々ならぬ  親心 

はい  読みます  これなら  読めるかも

f:id:kototamakotonomama:20190621192735j:plain

と言っても  まだ  一話目の桐壺の

途中なんですけれど

 

ただ  こう言っちゃなんですが

桐壺帝さん  なんだか  あんまりにも

ヨヨヨって  のめり込みすぎ

こんなに  のめり込んじゃって

世が平安の頃で  

やんごとなき御身分だから

憚ることなく  思いっきり  

のめりこめられたのでしょうが

そりゃ  長続きしないって

それに  なんだか  悲劇の香り

なんでここまで  桐壺更衣さんだけに

ぴたっと磁石がくっつくみたいに

 

こういう時って  たぶん  本当は

ミネラルが足りてないだけ

なんじゃないかしら

だから  お相手から  足りてないミネラルを

吸収しているだけなんじゃないかしら

とか  ついつい思ってしまいます

それは  運命の恋かもしれないけれど

でも  なんか  ここまでだと

ミネラルの科学式が  

目に浮かんでしまう

 

今なら  別の解決方法とかも

おありだったんじゃないかしら

まぁ解決しないから  

物語が成り立って行くわけですし

多分  解決されたくも  ないでしょう

運命的な恋の最中の  お二人様には

 

甘いお砂糖のような恋と

母なる海のミネラルの宝庫  塩

f:id:kototamakotonomama:20190621192834j:plain

お砂糖とお塩のバランスを取ってね

などと  部外者がここで言ったところで

今も昔も  余計なお世話

 

まだまだあと25巻もあるし

平安の貴族の方々のお暮らしと

もしかしたらそれを凌駕するような

令和のわたしたちの

豊かに満たされた  便利な暮らし

 

今の世に  お香を焚いて  雨を待ち

LEDの照明の  少し青い灯りの下で

お姫様と皇子様の歓びと溜息を

おずおずと  頁を  めくりつつ

やっぱ  ミネラル摂ろう  と思います

f:id:kototamakotonomama:20190621193012j:plain