梅雨待ち時 〜 源氏物語とミネラル不足? 〜
こうやって自由に書くことは
大好きですが
本を読むのは
あまり 得意ではありません
でも 本を読んでいる人に
憧れが あって…
カッコいいですよね
難しげな タイトルの
しかも 今では絶版の古本なんか
さらっと 持っていたりすると
ましてや その上 ポケットに
萬年筆なんか 忍ばせたりしていると
それで ついつい 衝動的に
買ってしまいました
ヤフーオークションで 金三千円也
美しいんです 装丁が
地模様のある草色の和紙の表紙に
水の上に絵の具を落としたような
銀色の模様の裏表紙
一話目の 桐壺の巻の題紙は
薄紫色の 薄い和紙で
そのお話ごとに 芒ススキの絵や
御所車の絵が 活字の下に
薄く印刷されていて
そして もちろん 漢字も旧字体
ムードは満点 もう 完璧
これなら ちょっと 読めるかしら
梅雨の終わることないような
水の底のようなこの時期ならば
一行二行読むことに
四苦八苦している 困ったさんでも
雨に 寄り添いながら
きっと 読めるわ ええ 読める
ついつい そう思ってしまい
それなのに なぜか今年は
梅雨の晴れ間の続く 空梅雨模様
とうとう 雨さんにも 見限られ
でも この本の装丁の丁寧さと
古い本特有の 埃の匂いに包まれて
おずおずと 頁を繰り また頁を繰り
そうやってもしかしたら
千年前の平安の頃 御所の中
お姫様や 女御の方々も
同じように 読み進めていただなんて
なんだか 少し じーん
しかも 谷崎潤一郎さんは
序文と 注意書きに
破格の20ページも費やされ
この源氏物語を訳された経緯を
手塩にかけて育てられた姫様を
読者に託されるような
並々ならぬ 親心
はい 読みます これなら 読めるかも
と言っても まだ 一話目の桐壺の
途中なんですけれど
ただ こう言っちゃなんですが
桐壺帝さん なんだか あんまりにも
ヨヨヨって のめり込みすぎ
こんなに のめり込んじゃって
世が平安の頃で
やんごとなき御身分だから
憚ることなく 思いっきり
のめりこめられたのでしょうが
そりゃ 長続きしないって
それに なんだか 悲劇の香り
なんでここまで 桐壺更衣さんだけに
ぴたっと磁石がくっつくみたいに
こういう時って たぶん 本当は
ミネラルが足りてないだけ
なんじゃないかしら
だから お相手から 足りてないミネラルを
吸収しているだけなんじゃないかしら
とか ついつい思ってしまいます
それは 運命の恋かもしれないけれど
でも なんか ここまでだと
ミネラルの科学式が
目に浮かんでしまう
今なら 別の解決方法とかも
おありだったんじゃないかしら
まぁ解決しないから
物語が成り立って行くわけですし
多分 解決されたくも ないでしょう
運命的な恋の最中の お二人様には
甘いお砂糖のような恋と
母なる海のミネラルの宝庫 塩
お砂糖とお塩のバランスを取ってね
などと 部外者がここで言ったところで
今も昔も 余計なお世話
まだまだあと25巻もあるし
平安の貴族の方々のお暮らしと
もしかしたらそれを凌駕するような
令和のわたしたちの
豊かに満たされた 便利な暮らし
今の世に お香を焚いて 雨を待ち
LEDの照明の 少し青い灯りの下で
お姫様と皇子様の歓びと溜息を
おずおずと 頁を めくりつつ
やっぱ ミネラル摂ろう と思います