言乃葉の笹ふね

笹舟を流すように 言の葉を流そう さらさら流れるよ天の河 ころころと ことたまの 玉手箱

母音

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ごはんが  お腹の中に

何にもなくなってから  食べたら

本当の味が   染み渡るように


頭の中から  

雑音が消えるのを  待ってみる

もう少し  待ってみる


やがて  母から

その母から  またその母から

母音と子音を  代々重ね

唇と唇の間の摩擦が  音になり

身の内に  辿り着いた  言の葉が  生まれる


あなたの  家系樹に繋がる

あなたの  ここまでと  ここからの

いのちの  言の葉が  生まれる


〜  言乃葉の笹ふね  第二十六葉  〜