新しき ミヤコ
千年の時を隔て 今宵蘇りしは
目には見えぬ 新しき平安京
其処には エレクトリックレッドの 瀧 流れ
白馬と書いて あおうま と読む
古典の試験でもお馴染みの あのアオウマは
新都の玄武より朱雀を 駆け抜けて
海馬となり 青龍となり 天へ昇る
千年の平安の都は 今宵 遂に
青龍昇りて 今ここ 新京都
まこと龍宮の現し身となりにけり
そを知るは 踊りて 踊りて 踊りて
やがて風となりし 美しきヲノコメノコと
時空間の外より 細く清けく変わらず強く
響く 恒常なる笛 千年の音一条
思えば 遥か彼方 アモトの果てより
ずっと変わらず たったひとつ
ひとりひとりが運びし 音秘メなる玉手箱は
ぱかっと開いて いよいよ ハジマリハジマリ
安珠さんの写真展 Invisible Kyoto
- 目に見えぬ 平安京 -
音楽 細野晴臣
言葉 松本隆
ナイト★ミュージアム
舞 アルトノイ(酒井はな/島地保武)
笛 雲龍
見えない千年の都に捧げられし
鍛え上げ肉体から自由となり風になった體
いにしえより変わらぬ 恒常の音
古今東西 磨き上げられしものを
持ち寄り 捧げた 美しい御祭典に
見えぬども 集られし
いにしえのやんごとなき方々の
あまたなる衣摺れの音
焚き染めし 御香
ひそやかな 囁き 笑い声が
喜びとともに 聞こえてくるようでした
とにかく そっと そっと
頭を動かさずに 無駄口も叩かずに
水面を漕ぎ行く舟のように
そっと そっと 夜の波をかき分けて
家路につこうと思いました
ぼおっとしていたので
車中に 衣を忘れたようで
美しいオノコメノコの方々が
どなたかお忘れではございませんか と
美しい日本語で
高らかにお声掛けくださいました
やはり 今ここは もう龍宮
還ってきた碧い衣を 撫でながら
モウダイジョウブ と思いました