言乃葉の笹ふね

笹舟を流すように 言の葉を流そう さらさら流れるよ天の河 ころころと ことたまの 玉手箱

花言葉

今週のお題「雨の日の楽しみ方」

こんな雨の日の  

茶店

美しいお花が

街の片隅の  テーブルの上に

咲いていた


f:id:kototamakotonomama:20190609070752j:plain


わたしは

目の前の人と

おはなしをしていたけれど


もしかしたら  

この美しい花とも

運命の出会いをしていて


もう一つの国の言葉で

秘密のおはなしを

していたのかもしれない


というか  

もしかしたら

この花が  まだ種だった頃

まだ  小さな若葉だった頃


この花は  この花なりに

美しい世界を夢見て


そうして  

今日のこの佳き日

わたしと  運命の出会いを

もしかしたら  このお花さんも  

とうとう  果たしたのかも



最初は  棘のある

仙人掌サボテン  で

それは  一見

今の美しい花姿とは

少し  遠いような 

葉の姿


それでも  

美しさを夢見て

あの  ぺろん  として

平べったい

おまけに  

棘までつんつんした

あの葉の姿で  幾年月


それでも  夢を見て

それでも  育っていくのは

今のところ  平べったい

この棘のある  葉ばかり


Sigh...


でも  それでも  夢を見て

それでも  美しさを  夢見て


そうして  いつか

その葉から  あろうことか

こぶみたいな  妙なものが


あろうことが  それが  

どんどん  大きくなって

それが  どんどん

妙なものに  なっていって


わたし  

そんなつもりじゃなかったのに…

もし人間のおんなの人なら

そんな風に  思い

軽く  ため息をつくことだって

あったでしょうに


でも  この花のヒトは

植物界の  方々だから

そんなギモンや  

ましてや  ため息なんか

なんのその


そんな暇があるならば

細胞分裂  新陳代謝

葉緑素に  酸素呼吸

日々  ただ  前進あるのみ


朝日が昇り

夕日が落ちる

月は満ち欠け

星は座標を描き

お天気の日や  雨の日

虹や  雷  白い雪


そんな記憶を

ただ  淡々と

このぺろんとした

棘のある葉に  記憶して


そうして  ある日

その妙な膨らみから

咲いた  美しい花


f:id:kototamakotonomama:20190609070820j:plain


お花さんは  

この  お花さんのことを

育ててくれた方の手で

ある日  よく切れる

鋭利な刃物で

手折られさえして

とうとう

しんでしまったのかしら


いえいえ

あなたのことを

美しいと思う

公  おおやけ  という  

この小さな街の

茶店という原っぱの

透明なグラスの  

今は  水の中


美しいことが  ダイスキな

わたしみたいなヒトと

毎朝入れ替わり

たくさん出会って


世の中が  美しくなる

魔法を  今朝も

もう一つの国の

秘密のコトバで

おはなし -お花し- しましょう


まるで  仙人の掌の上で

夢を見るような  この朝に


〜  孔雀仙人掌  クジャクサボテン  〜