言乃葉の笹ふね

笹舟を流すように 言の葉を流そう さらさら流れるよ天の河 ころころと ことたまの 玉手箱

赤い花

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今週のお題「読書の秋」

 

お気に入りのケーキ屋さんができたので
このヒトも きっと好きだろうと
お土産にして 遊びに行ったら

 

赤い本が 机の上においてあって
「切りとれ あの祈る手を」という題名

 

相変わらず 選ぶ本の題名が
アナーキーで かっこいいなぁ
どうやら  哲学者の方の 本みたい


🌕

 

そんなこと いままでは
思っても みなかったけれど
そういえば 神様ならば
そうおっしゃるかもしれないな
というか おっしゃるまえに
文字通り 有無を言わさず
切り取っているかもしれない
やすやすと祈る わたしの手など


🌕

 

そう厚くもないその本が 二千円
普通より三割り増しくらいの価格でも
志高く 相応しいと思った

 

今の世の 必要以上なまでの
価格破壊とは名ばかりの
実は 自分という価値の破壊行為に
この人は 文字という  文化の価値を上げ
自らの精神の 価値を上げ
読者の精神の 価値を
この本の文字を通し 上げるのだろう


🌕

 

昔の日本は 精神の気高さを
貴しとしたもののように思うけれど
果たして 今の日本は どうなのだろう
わたしは いわゆる俺様や女王様は
好きなほうだけれど
まぁ 俺様や女王様が
貴いかどうかは 横に置いておいて
一方 俺様や女王様タイプが
わたしのことを 好きかどうか
案外 好きじゃないんじゃないかしら

 

なぜだか わからないけれど
でも そう考えた方が
納得いくことが 多いかも
それが 個人の尊厳というものの
もうひとつの むづかしい
側面なのかもしれない

 

やはり やすやすと祈るあの手など
切り取られるべきなのかしら
まぁ まぁ まぁ と
少しまえなら 思ったけれど
少しくらい とんがってもいいかも
そんなに若くもないのだし


🌕

 

革命とは 若者の特権でもあり
一方 落ち着いたと言われがちな
年齢のものが
外側の 社会に対してではなく
内側の 自らに問いていくならば
精神を削ぎ落とし 断謝離も捗々しく
蘇りへの よすがともなろうもの


🌕

 

内側に 問いて
命の赤き花を 開いていく 


🌕

 

本は読んでいないから わかりません
題名しか 知りません
でも 題名は 読みました
頭では わかったような気になりました
そんな空気を 身に纏い
柔らかく 凄みのある 微笑みのひとを
目指したいと思います