言乃葉の笹ふね

笹舟を流すように 言の葉を流そう さらさら流れるよ天の河 ころころと ことたまの 玉手箱

イチ尽くしと 海老蔵さん

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2018というのは  数秘的には

2    1     8  =  11  だそう

だから  きのうは

11年11月11日で

その日の午後1時の

第11代目イチ川海老蔵さんの舞台は

一宮で  イチづくしの日でした

 

でも  もうそれも  過去のこと

今は11月12日

時  というのは  尽きることなく流れ

一点に留まることは  ないわけで…

特別なトキは  ほんの一瞬

そうして  刻々と過ぎていき

あとは  広大な普通という名の海に浸かっている

というところが  真実なのでしょうか

 

 

さて  エビゾーさんです

というか  カブキですが

カブキの古典というものは

とっても  いい感じに  シュール

軽やかに  面白く  ちょっと  びっくりしました

 

まずは  前提として

わたしは  歌舞伎に全然詳しくないので

その点  どうぞお許しいただいて

 

 

三社祭  というお出し物は

隅田川で  ひとつの船に乗っている

二人の男の人の上に

突然  黒い雲が現れて

その中に  善という玉と  悪という玉があり

その二つの玉が  二人の男の人の中に

おのおの  入って

一人が顔じゅう  善という字になって

もう一人が 顔じゅう悪という字になって

善の顔と  悪の顔が  二人して踊って

またひとつの船に乗って

波に揺られて帰って行く  というもの

 

もう  なんて  シュール

底抜けに明るいのに  哲学的

 

この世には  善も悪もないんだ

この明るい世界観  大好き💖

 

 

さて  もう一つのお出し物が

蛇柳  といって

高野山の奥之院に実際にあった

蛇柳という木に宿る

亡き妻の死を悼みながら

化けて出る  美男の蛇のお話でしたが

 

いやぁー  海老蔵さん

もののけを演じていらっしゃる時

ホントにイキイキしていらっしゃって

 

わたしの席はたまたま   花道の近く

なぜか今回  海老蔵さんが

花道で演じられる時間が多くて

蛇に化けられた時とかも

手も触れんばかりの  ちょうど真ん前

あぁ  このヒトの  いまのこの目

本当に  もののけ  だ

ぞくぞくと 空恐ろしく  鬼気迫り…

 

 

役者さんの役は  厄なんだ

善も悪もおんなじ船に乗って

じゃれ合うように遊んでる

奈落の底から一枚板の舞台の上

もののけを地霊から呼び覚まし

いったん  一身に厄を受け

花を咲かせるように  火花を散らす

 

美しいということは

舞台の上に花を咲かせるとは

かぶきとは  その瞬間

この世の世界のものではないのだ

 

 

押戻し  というものがあるそうで

舞台の上の蛇という魔を

三本太刀と青竹を持った勇者が

花道に出てきた魔物を

舞台に封じ込める  荒事だそう

 

やっぱり  舞台には

魔物が棲んでいる

 

そして  そんな怖いほどの

舞台の魔を感じさせる役者さんは

やっぱり今時  海老蔵さんなのか

 

 きっと  こういうのをクロウトさんといい

シロウトが手ェ出すんじゃねぇよ  

という  世界なのかしら

 

つまり  それくらい  空恐ろしい

本当に本当に  素晴らしい

華ある役者さんの  舞台でしたよ