炎天下の中の 天麩羅
天女さまのご開帳だったそうで
連れていっていただいたお陰様で
お目もじが 叶いました
奥の 奥の 奥
このようにご鎮座いただいて
わたしたちを お見護りくださっている
静かにお鎮まりになられる
天女さまの眼差しが
心に深く 刻まれました
そこからの 帰り道に
地元の農産物が買いたいなぁと
道の駅 に寄りました
そこで 再び天女さまに出会いました
ビニールテントの屋根の下にある
炎天下の中 クーラーもない店の外
その方は 天麩羅をあげて
いらっしゃいました
美味しいよ サービスするからね
すぐに上がりますよ
お友達と分けるんだったら
数を合わせて 入れておくからね
お暑いのに天麩羅をあげていただいて
申し訳ありません
と こころから 申し上げると
大丈夫 大丈夫
それより 食べてもらうのが 嬉しいねん
ほら 美味しく上がりましたよ
どうもありがとうございます
また来てね とその間 ずっと 笑顔
ええ また来ます 必ず
こころから 思いました
また来ます この遥かな遥かな山の中
天女さまは 何千年
山の奥の奥にいらして
天女さまは 今 真夏の炎天下の
燃える油の前に 笑顔でいらして
そして この家の中 今 ここから
あなたの中に わたしの中に
今この瞬間 天女さまは
笑顔と 優しさと 暖かさで
あなたの お出ましを まっている
次のご開帳の30年先まで
笑顔と 優しい言の葉と 思いやり
こころに再び刻まれました
〜 言乃葉の笹ふね 第六十九葉 〜