言乃葉の笹ふね

笹舟を流すように 言の葉を流そう さらさら流れるよ天の河 ころころと ことたまの 玉手箱

柔らかな泉

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最愛のお連れ様を  御見送られて  数年

それ以来  哀しみの中に

いらっしゃる方と  お会いしました


瞳からとめどなく溢れる涙は

柔らかな  泉のよう

多分  わたしにはないであろう

その方のお優しさに包まれながら

ただ  お話しを  お聞きしていました


普通の話を  する人が

家の中から  いなくなってしまったことが

一番  かなしい


過去の  想い出のお話しに終始する中から

確かな「今」のひと言が

現在形で  やっと  初めて語られ

少し  ほっとしました


何気ない  普通の会話が

今の日常をいかに支え

何気ない  普通の会話を

ふたたび  始めていけることが

ふたたび  生きていくことに

繋がっていくんだな  と

少し笑顔を取り戻されたその方から  

教えていただきました


〜  言乃葉の笹ふね  第六十四葉  〜