言乃葉の笹ふね

笹舟を流すように 言の葉を流そう さらさら流れるよ天の河 ころころと ことたまの 玉手箱

遺産


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今日は  身内の法事でした

生前は強烈なキャラクターの人で

色々  ありすぎるくらい  あったけれど

わたしは  なんだか  好きでした


結局  残るのは  愛と思い出

引き継げるものは  いのちだけ


残った品は  残酷なようだけど  

文字通り  荷物になるしかなかったり

多すぎて  過剰なものだったり


結局  引き継がれる遺品も

愛宿る  思い出の品を

手のひらの上に  ほんの  ひと握り 


目に見えるものが  過ぎ去った時

目に見えない  ほんものが  やって来て


別に  わたしの何が変わった  

というわけではないけれど

やっと  長い時が流れ  

やっと  普通に話しを  

してくれるようになることも  

あるんだなと  思いました


これも  亡き人の  遺産ならば

とても  嬉しいけれど

ただ  なぜ  人が  生きているときは  

それが  許されず  叶わないのだろう


目に見えない  バトンを受け取り  

遺され  未来を  産んでゆく  


お話しが出来るようになることは

何よりも  嬉しい

会話は  真心とともに  流れていくし

真心が  通じる時もあるけれど

真心が  通じない時もあるけれど


今  目の前に  形有るもの  産まれ

今  目の前に  形無きもの  産まれ


でも  結局  この  手のひらの上

目の前の  この  ひと握り

残るものは  まるで  

その人の  無言の  祈りのよう


それは  きっと  地球さんの

祈りでも  あるのだろうけれど


〜  言乃葉の笹ふね  第百五十四葉  〜